916に独自性を与える為に、特に重点が置かれたのがリア・サスである。 当時は、先進的であったマルチリンク.サスペンションは、FF用にAlfaRomeoが 独自開発したもの。 2本のロワリンクを主として計4本のアームで支持する。 このマルチリンクサスペンションにはパッシブ.ステア機構も備わっている。 コーナリング初期で前輪と逆に切れて俊敏な動きを狙い、コーナリンク途中で ロールが深まると今度は同位相へと切り替わって安定方向へクルマの動きを 収める。もちろんどの方向でも切れ角はトー制御ともいえそうな微小である。 この逆位相、同位相の使い方は、他社では、日産スーパーHlCASの様に電子制御 で実現していたが、916では複雑なリンク動作を設計で実現し、メカニカル制御 となっている。リア・サスペンション構成はアルミ鋳造サブフレームに支持される。 このサブフレームは、耐腐食性、剛性に優れThixoモールデイングと呼ばれる 特殊鋳造法で造られる。サスペンションは3本のビームで結合されている。 (以上第1〜9章に関して参考文献 [AutoExpress誌 '95-Aug.号])
実は、このリアサスは、F1テクノロジーがそそがれた設計でとなっている。 (次章参照↓)