Gtv  Technical Design History

-5- 【 ボディ外板 OuterPanel ”KMC” 】

    Tipoプロジェクトの基本コンセプトである、外板は車種独自に展開、自由に   デザインさせるという方針通りに、外観デザインAppearance Designは独自に  設計できた。 外板は、樹脂製か鋼版製を想定されていたが、916の個性をきわだたせる大切な 部位である、ボンネット、トランクリッド等については樹脂製を採用している。 個性をきわだたせるという事は、曲面、ラインが複雑になる傾向にあり、    それを鋼版系素材で実現するとなるとコストが膨らむ。その時代は、      高圧プレス機の型が複雑な造形の場合、型作成費は高額になる時代であった。  樹脂系はその時代、新素材であった”KMC”という、ポリエステルとカーボン  による複合素材が用いられている。これまでのボディ用非金属素材とちがい、  塗装後の見た目はスチールに良く似ていながら、強度、耐魔食性に優れ、樹脂の 弱点だった温度変化にも強いという。さらに、軽い衝撃ならば吸収して     自己復帰し、万が一修理が必要になってもスチールよりも修繕しやすいという。 この素材を採用した事により微妙な曲線のパネルが作成可能となり、      エンリコ・フミア・デザインが実現できた。                

■つづく、次章へ

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