Gtv  Technical Design History

-4- 【 敷居をまたがされるサイドシル side sill 】

    Tipoプロジェクトとは、プラットフォームである主構造体を共通化する構想で   あるが916に限って、主構造体の腰骨にあたるサイドシルを、AlfaRomeoの     専用設計とした。                              実は、916開発プロジェクトでは、スパイダーSpiderがクーペGtvより先に設計   された。つまり、多くの車種であるように、セダン等クローズドボディ車を先に  リリースして、後からオープンボディを設計、リリースする手順でなく、Spiderが 先にボディ設計された。                           Spiderの設計は、当然としてボディー剛性を確保する為の苦労の設計になる。   ねじれ力に対抗する為に、サイドシルの剛性を高める必要があった。       また、916開発中の途中で、FIATは916を北米へも輸出する方針を持った時期があり その為、アメリカの基準を満たす為に剛性に関してはこだわった経緯もある。   916Spider設計、作成後、そのデザイン、作品性が優れていたので、FIATは、   クープも同じペース(Spider専用主構造体)にて、設計デザインする方針とした。 引き継がれたSpider剛性にさらにルーフの剛性が合間ってより高い剛性となった。 こうして、Spider、Gtvともに分厚く高いサイドシルとなっている。       サイドシルが太くなると乗降性が損なわれるので、乗る都度、ドライバーは高い  敷居を跨ぐ儀式を強いられることとなる。 それは、古代ローマ人の新郎が新妻を 抱えて新居の高い敷居をまたぎ初夜を迎える、という儀式に従ったものである。  今は、そこには大きなAlfaRomeoロゴがあり、操る者の誇りとしてデザインされた。

■つづく、次章へ

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