本題Gtvは、Spiderと共に1980年代に、開発コード916として 構想されていた。 しかし、アルファロメオは1980年代後半、FIATの傘下となってしまった。 アルファロメオの活動は、フイアットの首脳陣による決定に左右されが、 FIATは、アルファロメオに916 Spider/Gtvスポーツカーを造ることを 許したのだった。こうして916タイプによるアルファの新しい歴史が生まれた。約30年間にわたって造られた先代Spiderは、'60年代の開発当時は 常識だったFRを採用していた。しかし'90年代半ばにデビューする量産車 にとって、すでに特殊な存在となってしまっている。FRに固執することは リスクが大きすぎる。 一方、セダンの75が使っていたパワートレーンはもはや 古くなっており、ギアボックスをリアの駆動軸上に置くトランスアクスル式 の75用ではコストがかかりすぎるのだ。しかしながら、親玉のFIATも GTV/Spiderに使えそうなFRメカを持っていない。 フイアットの考えるアルファロメオの(FerrariやMaseratiよりも下という) 位置づけを考えても、他車への流用力離しいFRを新規にに開発することが 許されるはずもなかった。FF、もしくはそれから派生させた4WDとなるのが 自然な成り行きだった。こうして、916タイプは、FFスポーツカーとして 世に出ることになった。 同時代、FIATではプラットフォーム共通化の為の2つのプロジェクトが 進行、実現化していた。それが、「ティーポ・プロジェクト」と、 「4・プロジェクト」であった。 後者は、FIATクロマ、Lanciaテーマ、SAAB9000、AlfaRomeo164の 「4」車種へ展開した。 前者「ティーポ・プロジェクト」は、FIAT車のプラットフォームの 共通化を図る活動であり、エンジンの共通化であるFIARエンジン構想と共に 当時のFIATが命運かけたプロジェクトであった。 ティーポ・プロジェクトは、デザイナーであるエレコ・デ・スパーダ氏を 主要メンバーとし、建築手法を車体構造設計に取り入れたプラットフォーム を発明するFIAT社の技巧創造である。 ティーポ・プロジェクトにて設計されたプラットフォームは、FIATの ミドルクラス(C、Dセグメント)の新モデルに展開する計画であったが、 その時期はアルファロメオ、ランチャと傘下になった時期であるので、 3社に展開する事となった。こうして、916プロジェクトは見直しされ 全ブランド共通のTipoプラットフォームへ改変された。
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