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-3- 【 ファミリー・フェース  Family Face 】

    名車と言われるクルマがあると、その後継車は伝統は引き継がれるものである。 デザインで言えば、そのクルマの特徴、メーカーのイメージ、ブランドイメージ が引き継がれる事になる。それは、あたかも子供の顔が親の顔ににてしまう事と 同じなので、ファミリーフェースと言われる。FIAT500で言えば、そのフロント の丸目ライトやグリルなしのパネル等のデザインで、FIAT500ファミリーの子孫 と認識される。                              但し、単なる特徴の継承による、親子世襲ではデザイン創造にならない。    それは、レトロデザインRetroDesignと言われるもので、デザイン作業したと  いうよりコピー作業というものであろう。                  何故かというと、親子の顔をいくら似てるといっても、親の顔がそのままコピー された顔になる事はありえないし、一部の目、鼻とかの特徴でもそのまま同じに 複写される事もない。子の顔は、親とは別の個人の顔であり、その時代に生まれ た個人の顔になる。                            従って、そのままコピーしたデザインは、ファミリーフェース・デザインと言い 難い。そこは、新世代の子供の人格を認めない、伝統の押し付けである。    レトロデザインには、創造性のない過去の遺物の反復に過ぎない面がある。   フミアは、ファミリーフェースをデザインとの一つのテーマにしつつ、懐古主義 (レトロ)に陥らない様にデッサンした。                   916においては、フロントフェースだけでなく様々なところにファミリー   フェースがある。典型的な点は、フロントフェースの中段のグリルであり、   歴代のAlfaRomeoの伝統イメージを916が引き継ぎつつ現代の顔になった。  クルマのデザインとは、新しい時代の息吹きを形にする創造作業である。 先代の形をコピーしてもデザインに非ず。伝統という形のないものを、 現代の様式美で表現することである。

■つづく、次章へ

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