ドライブ・フィールと、コーナリングを決める主要素となる、 前輪トレッド、及びホイールベースに関して、比較考察してみる。 Tipoベースの各車種と、この時代のAlfaRomeo車種と、WheelbaseとFront.tread の各値を下記に記す。 Name Wheelbase F.tread T/W ratio FIAT-Tipo 2545 1445 0.57 Lancia--DEDRA 2545 1435 0.56 AlfaRomeo--75 2510 1390 0.55 AlfaRomeo-164 2660 1530 0.58 AlfaRomeo-155 2545 1480 0.58 ”916 ” 2545 1499 0.59 因みに、TIPOプラットフォームの規定として、ホイールベース長がありそれは 100インチ[約2545mm]となっている。いうのがあり、FIAT-Tipo、Lancia-DEDRA、 及び916ホイールベース長にも適用されている。 ところが、75、164は、セグメント(車格)の違いもあるので単純にF.tread値で 比較できない。 そこで、F.treadをWheelbaseで割り算した比率を求め、クルマの素質を理解する。 上の表の、右の列に比率を列記した。この比率が高い程、幅のあるクルマとなる。 つまり、クルマの4輪で4隅を成す四角形の、正方形の度合いを示す事になる。比率値が高い程、長い長方形から正方形(真四角)に近くになる。 速度より、いかに曲がるかに主眼をおくラリーカー等は、この値が高くなる 設計となっている。 上表の通り、918はTipo兄弟車の中で最もF.treadがワイドであり、また 他のAlfaRomeo車種と比べても、よりワイドな比率を与えられている。 直進性より、コーナリング性能に重点置く設計と言える。