【  Y 日記 】

2000-06-04 慣らし運転について

    ナラシ運転は、必要なのか ? そして必要ならば、どうやればよいのか ? 新車をgetした時の永遠のテーマですね。 で、先日のこと御存知Y掲示板に投稿があったので、小生も ちと書きこんで見ました。 それに、加筆する形で述べてみましょう。 > ピケさん? 19 May 2000 19:49:05 > > 慣らし運転について、、、 > これは必要ないという説が最近多いですが、特に独車のメーカー・マニュアル > 等では、最近は製作精度がいいので不要という説がありますが、 これは、排気ガスを抑制させる為に暖気運転とナラシ運転を控えさせる 考慮の様です。 だから、ナラシ運転は不要とは言ってない。 > 実は某和国の製造ラインでまさにエンジンのラインで働いていた友人 > 曰く”慣らしは要る”との事でした。 理由は、後日拙著HomePageに > 挙げます。 FIATがFIREエンジンに固執する理由はここらへんでしょう。 > 友人は、自動車メーカーの真にエンジン生産ラインにいました。 職務は エンジン組立ての初期工程に位置していて、クランクシャフトにピストンを 載せてシリンダー内で仮摺動させて冠合を診てみる役目である。 ヘッドはまだ 載せてないので空のシリンダー内でピストンが滑らかに上下するかチェック するのである。 もちろん、シリンダー内にオイルを少し垂らしておいて、 クランクシャフトに治具のレバーを取りつけて、それを手で回して見る。 すると、なんと5機に一つは手で回らない程、滑らかでない個体が 来るのであるらしい。 で、対処として幾つかあるサイズが少しづつ異なる ピストン(リング)を順に交換して、滑らかに回るように成るまで 組み合わせを変えて試行する。 でも、組換えをどう変えても、オイルを だらだらたらしても手で回らないのが発生する。 でこれはどうするかと 言うと、歩留まりにせず次の工程にさっさと送るのである。 友人曰く、 「だって、やがて組み上がりガソリンを入れて始動させればその馬力で 摺ってるエンジンでも無理矢理なんとか削りながら回るよ」 でした。 つまり、未だにこの高精度工作の時代でも、エンジンの出来にはムラがある。 あたりが悪くて部品が摺っていても、製品に成り始動すれば、 それで削る事で、無理やり滑らかにしてる。 と言うことである。 だから、ある個体(確率的に)ではナラシが必要である。 新車の最初から ブン回すと、摺動各部面や伝達部を粗く削ってる事になる。 痛そう! で、自分の新車が"当り"か、"はずれ"かなんてわかりゃしないのだから 用心の為に、どの新車でもハズレと思った方がいいでしょう。 さらに、いくら組立て精度がよろしいかと言っても、回転バランスの問題がある。 これは、組みあがり回してみないと解らない。 で、解ったときはもう遅くて すでに製品になってしっまている。 出荷しちゃう。 要は、精度の悪いものは断念して製品出荷しないか、目をつぶって出荷するか 精度管理(標準偏差)の設定値をどこに置くかの問題である。 これは、メーカーの商売心の判断になる。 以上、ナラシは必要でしょう。現代でも。 > Yのエンジンは総て、FIRE("R"は、ロボット)生産です これは、部品点数を減らせば、乗数的に精度が向上するという エンジニアリング理論に基づいている。 ロボットで自動生産可能なぐらいに 部品数を減らせば、精度が飛躍的に向上するだろうというFIATの思想です。 > で、慣らしの方法は、別の友人の整備工曰く、 > 「”定”をしろ! つまり、定回転、定加速、定XXXX。とにかく > 急な操作はやめろ。 だから、高速道路で定速運転keepが > ベストなのだ。」 > たとえ、低速度でも回転の急変動は避けてくれ、との事でした。 > あとは、自説でオイルとエレメントの交換をケチらない事ですね。 > オイルは、粘度高いほうがいいでしょう。 たぶん。 1000Kmまでは、とにかく定回転として、その後はどうするかと言うと、、、 いあゆる、「あたりをさぐり」ながらアクセルを踏むことだと思う。 エンジンは、アクセルを踏みこむと、その開度(回転数)に応じて馬力が 出力される。 これ、あたりまえです。 でも、新車時は回転を上げてもある領域でエンジンが苦しがるのが 解る。 その領域(回転域)以上に踏みこんでも一応は出力は上昇するが 無理してる感じである。 エンジンが生き物なら、苦しがっているようである。 この領域の感触って、言葉や文章では説明できない。 エンジンは、自分の 恋人、忠犬のように生き物として接する神経が必要でしょう。 エンジンからのフィードバックを感じることです。 踏みこみながら、 ”あたり”を感じましょう。 でも、天声を感じてはなりません。 A・セナでしたら、これにグリップのあたりも加味して感じてます。 いわゆる、「セナ足」ですね。 ひとつの目安は、走行距離に応じてrpmを上げるのも手かもしてません。 つまり、走行距離3000Kmになったら、3000RPMまでっていう目安ですね。 車と生き物の様につきあい、その応えを感じて、運転にフィードバックする 神経って、ナラシに限らず、アクセルレスポンス、グリップ、ハドロプレーン、 ブレ-キング等、どの面で大事なことだと思う。 良く効くブレーキというのは、”ブレーキペダルの踏力の軽さ”ではなくて、 ”減速の度合いを体で感じる”事で、感じ取る事です。 このフィードバック能力こそ、自動車を安全に導き、かつ長持ちさせる秘訣だと思う。

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