【  Y 日記 】

1999-12-12 パニック・ブレーキ !

    それは、初冬の候、国道6号の路上で遭遇した事でした。 場所は、柏付近の直線で見通しの良いところであった。 時刻は夕刻であるが、まだスモール・ランプをつけるには早いかな、という時刻。 自分の後に後続車はなく、前方には1台だけ先行車セダンが走っていた。 夕刻ラッシュ時なのにその瞬間だけは前後にほとんど車なくて、この2台だけ 追い越し車線を縦走していた。 時速は、XXKm/Hに達していた。 やがて、前方のセダンがブレーキランプを点灯し減速始めた。 何故に減速したのか? そのセダンの前方に視点を伸ばすと、 そこには交差点があった。 そして、セダンは右ウィンカーを出し、 右折体制に入った。 が、対向車が途切れないので、その交差点の 追い越し車線で停止した。 前方を塞がれた私は、それを避ける為に 走行車線へと左シフトし車線変更した。 その瞬間に目に入ったのは、前方交差点で路上を塞ぐ車である。 対向車が右折して交差点に侵入してきたのであり、しかも 歩行者が横断中でその車は交差点内で私の行く手で鎮座してる。 私の車に気が付かずに強引に右折したらしい。 多分、その車が直前に確認した時は、 停止してる車に隠れて、このYを見落としたのであろう。 自分は一瞬ひやっとしたが、まだ距離があるので急ブレーキを踏んだ。 しかし、1桁国道交通量による轍と路面摩耗で制動があまり効かない。 みるみる間に交差点で鎮座する車に距離が迫り、像が大きくなる。 まるで、キアヌ・リーブス出演映画の「マトリックス」のように スローモーションFSXを見てるようである。 このままではぶつかりそうなので、緩やかにハンドルを右に切った。 うんんーー。。。 なんとお、ステアリングが効かないではないか。 切ったのにYの頭が右に向かない。 やばい、正面衝突はないがオフセット衝突に なりそうだ。 何故。ハンドルが効かないのだ? 自分ではロックさせてない つもりである。 パニックでホイールロックさせたらどんなに恐い事態に なるかは充分に知ってるのでロックはさせてないはずである。 それに、 ロック時のタイヤ音も聞こえてない。 しかし、ステアリングに手応えはない。 氷上のようである。 まいったナ、、、 このままでは、侵入車のお尻を削り、Yはサイドを凹むだろう と、スローモーションFSXの主人公の私は、あきらめ観念していたら、、、 Yの頭が若干右に向き始めた。 しめた、と、更に少し右ステアリングをに充てる。 よかった、”こする程度”で済みそうである。 どうにか減速はしてたので、減速に応じて徐々にグリップが少しづつ回復し 回頭し始めたのであろう。 実際は、僅かの隙間を残し非接触ですり抜けた。 多分、数cmいや数mmであろう。 その直後、Yは対向車車線に向いているので、ブレーキを少し緩め、 ステアリングを戻した。 その瞬間、タイヤがグリップを取り戻し ガツーンと ”おつり”が襲ってきた。 これも大変である。 2度ぐらいカウンターを充て、Yを直進に戻した。 丁度、追越し/走行車線の 真ん中、走行ラインをまたいだ位置で、直進を獲得した。 定常状態に戻り、バックミラーを見ると、タイヤ・スモークがたちこめ、 交差点周辺の車が唖然として、立ちすくんでいるのが映っている。 すぐに、路地裏に停めて、タイヤの確認を行う。 タイヤに、段へり、フラット跡、偏摩耗は確認できない。 やっぱり、ロックはさせてないと思う。 危機から学ぶ自動車道 教訓。 ●考察1: Yのブレーキ・アシストなんて大嫌いだ。 ロックはさせてないが、グリップを失う程のパニック・ブレーキであった。 一方、自車YにはABSは装着してない。 でも、Yのサーボは伊国車にしては強いので 簡単にロックし易いであろう。 和国車のガックン・ブレーキの様である。 踏み込んで、そのペダル底で、もう一踏みで限界制動をコントロールする 事ができない。 Yのは、極端に言うとロックするか緩い制動かの どちらしかないデジタルである。 国際車にする為には、こうなってしまうのか。 ラリーで鍛えた感触がスポイルされている。 踏力の軽いブレーキは当然ロックしやすいので、気を付けて下さい。 繰返すけど、こんなドッカン・ブレーキ大っ嫌い。 ●考察2: でも安定していたLancia設計。 μを失ったタイヤ状態でステアリングを切ってもスピン、リヤスライドは 皆無であった。 もっともそれ誘因しないように角度を配慮して切ってはいるが。 でも氷上状態できれいに直進していた。 さすが、Lanciaである。 同じ土台のFIATのP車だと、ホイールベースが長いのでリヤが 流れてしまう可能性があるかもしれない。 ●考察3: ピレッリなんて大好き。 急ブレーキでも、タイヤ自身がくだけてないのも幸運であった。 以前、1999-07-31で話したようにタイヤ剛性がいいのである。 だからスピンせずに、そして徐々にμを回復できたのでしょう。 これが、他のタイヤだったらよけきれたかどうか、危ないとこだった。 ●考察4: 所詮はシロウトです。 小生は素人です。 いくらKartやサーキット・ランをやってるからといっても、 とっさの事態に、ポンピング・ブレーキなんぞ出来ません。 急制動してる時に、 ポンピングの為に一瞬でもブレーキを緩めるなんて事は、とても出来ません。 Kartでは、ポンピングブレーキ(ロックする直前でブレーキを緩める)を 特定コーナで行うが、それは”予定されたブレーキ”です。 シロウトは、緊急時に緩めるなって芸当は無理です。 といっても、YのABSは評判悪い。(他の雪国オーナーの談) 困ったもんだ。 ●考察5: 明るい色にしましょう。 夕刻なので人間がもっとも視力の不明瞭な時間帯です。 しかも、自車はLancia-BLUでいわゆる濃い色である。 走っていても、周囲の車が見落として強引に割り込まれるなって事態が よく発生する。 周囲の車の怠慢である。 が、解り易い色の方が いいに決まってる。 Kaleidosで、あざやかな色をセレクトして下さい。

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