【  Y 日記 】

1999-06-01 剛性

    これって、絶えず評価に登場するポイントであるが、数値的に、また感触としても 解りにくいし、経験を要るファクターであると思う。 だから、「・・・こう思う」 としかのべるしかできない。 で、Yの剛性はマアマアだと思う。 少なくとも、一世代前のイタ車よりはかなり硬い仕上げになっている。 先に、DEDTAとTHEMAの2者で比較するならば、車格はTHEMAが上なのに、 その方が剛性がなかった。 だから、設計する時代で剛性の重要性が違っていたので あろう。 また、同じベースでもコンセプトが違うと、剛性にかけるコストが違う。 例えば、FIAT-Coupeと、alfa-GTVの違いがある。 Coupe所有の知人が言うには 「当然、Coupeと、GTVの両者を充分に試乗したが、剛性については両者は 全然別物の車である」と。 GTVの方は、Tipoベースにしっかりとしたサブフレームを履いている。 この知人は、タワー・バーを取り寄せてCoupeに装着したところ、その結果 劇的にフロント剛性が向上しコーナリングが変化したと、述べていた。 それじゃ、実はタワーバーがないと剛性が確保出来てなかったと言えるではないか。 一方、GTVの剛性は、私が乗った時でも充分に実感出来た。 なお、alfa-155とDEDRAの比較では、剛性は同等であった。 これこそ、同一ベースの 宿命が表出していた。 しかし、走るパフォーマンス性は155の方が上なので、 走りとのバランスを考えると、剛性が劣ってしまって155の方が分が悪くなってしまう。 PUNTOとYは、ベースが同じでもかなり違うであろう。 残念ながらPUNTOはまだ試乗した事ないが、Yの方が比較上、剛性あると思う。 両者ともサブフレームを持つが、ホイールベース長が違うので、その影響が 端的で出るであろう。 つまり、Yの方がショートなので前後間のボディーよじれが 少ないと思われる。 この事は、前記1999-05-22"コーナリング"でも述べている。 Yの剛性は、、、 全身鋼鉄男のBMWのようにはいかないが、 足周りの剛性は確保されていて、 上に乗ってるボディー剛性は並であるがショート・ホイールベースのメリットで、 このクラスとしては、”マアマア”だろう。 ちなみに、足周り剛性があるので、コーナリング時には横G負荷がボディーで 吸収(ボディー変形)されずタイヤにかかってくる。 一方、ドアの造りもしっかりしてるので、閉めた際には”パタン”という 安っぽい音はせず、”バムッ”に近い音である。 ちなみに、この奇怪なボディー曲線を維持する為と推測するが、 ボディーの板金が割と肉圧厚い。 少々、手で押してもへこまない。 重量面で不利であるが、剛性の面では寄与してるであろう。 さらに、同じ厚さ材質の板でも、平面構成の板と、曲線構成の板とでは剛性が異なる。 曲線だらけのYでは、その曲線自体で剛性を構成しているのであろう。 狙ったわけでないであろうが、デザインと機能が両立した好例と解釈する。



return to "Y"の目次