【  Y 日記 】

1999-Q1 納車以前の時期



    いつのころか、'98年の暮以前から次期導入車種の選定会議が発足していた。 私としてはいつまでも乗っていたいDEDRAであったが、以下の各点で乗り換えを 密かに検討していた。    1) 車検が迫っている     2) クラッチがそろそろ来そう     3) パワステの液が漏れ始めてはや半年 で、これらの処置を施すと、50万円が飛びそうである。 加えて、カミサンが運転をしたいのでオートマにしてくれと要求してる。 で、次期FXの選定基準は以下の通りになる。 1) オートマ 2) それほど大きくない事 3) 左ハンドル てな訳で、ほとんど奥様仕様になってしまう。  しょーーーーーがない。 この時点で、一度はalfaの夢が、1000ミリアかなたに消えてしまった。 で、第一候補が、Lancia-Yである。 上記を満足してるし、デザインが奇抜、 Lanciaの上質(エレガント)な走りが、DEDRAに続いて満喫出来る。 2月末に、Milano-Corp.に来訪し、見積を取ってもらう。 ガーーーン! 見積が来ると、なんーーと総計300万円弱ではないか。 ちと、1200クラスの車にしては、懐が躊躇する。 で、急遽に他の候補を立てる事にした。 他候補は、下記の比較表の通り。 すでに、3月の半ばになってきて時間的余裕が無くなってきた時期である。 機種選定会議 報告 { 比較一覧 } − FIAT ブラーボ (新車) good ● 安全機構が充実 (ABS、Air-Bag) ● Super-FIREである ● 故障が少ないと思われる ● Cost/Performance良い no-good × デザインが、無個性 × 右ハンドルである × 外見に反して室内が狭い。 − FIAT Tipo (中古'93年) good ● 安い ● エンジンがランプレディ ● 室内は広大 no-good × Tipo自体に故障の報告が多い上、年式古い × いくらなんでも、もはやデザインの斬新性薄れてる − Lancia Y (新車) good ● デザイン抜群 ● アルカンタラあり ● 外見より室内広い ● 色、オプション多彩 no-good × 納期4ヶ月 × エンジン非力 × 高価格 こんな比較表を作って検討するぐらいだから、大いに悩んでいる様が 御理解できよう。 1999-03-14 深夜 夜中に起きだしTipoの資料を捜し始める。 気になり、寝返りをうつ都度、比較表で どれにするか悩み眠れない。 で、更に判断材料の為に情報と言う事で、 古い雑誌の記事を寝室でゴソゴソ捜す。 1999-03-15 朝は、眠く赤い目で電車に乗り込み会社に向かう。 昨夜の、次期機種選定会議では大蔵省は、Tipoにしろと発言あり、家を出る時も 「Tipoで決まりイ !」 と、言われ背中を押されて出勤して来た。 車中でも、悩みが継続してて途中通過してる駅を覚えてない。 悩んだ時は、それは判断材料が少ないせいでもあるので、ここはひとつ会社近傍 の、Auto-Trading社(目黒支店)に言って見よう。 そこに行けば、Yを見る事 が出来るので、それを以ってして決心しようと目黒に着いた頃、思い付いた。 悩んだ時は、見て触って見るのが一番。 女性と同じ。 で、 昼休みに食事も取らず、同社を目指した。 わずか、3分で歩きつく。 元来は次期機種はMilano-Corp.で購入予定であり、AutoTrading社では買うつもりが なかったので、その店には入らず、その裏の同社駐車場に向かった。 そこには、あった。 あった。 あった。 素晴らしい、そのYが。 もうだめだ。 一目見ただけで、もう発情してしまった僕。 メタ・ブルーに 魅惑的に輝くそのYに、私の悩みは微塵もなく消え去った。 もうこれしかない。 ぼくの惚れた女性はこれだ。 と自覚した一瞬。 即、電話しMilano-Corp.にYを発注しようとした。 4ヶ月待ってもいいや。 わずかな期間我慢をできれば、その後何年もの間、夢見るイタリアン・ライフが 待っている。で、電話しに会社に戻ろうかとした。 が、、、 ちとAuto-Trading社を覗いてみよう。 カタログでももう一部もらおうか、 と思いながら店に入った。 これが、第二の運命の別れ目だった。 店員をつかまえて、「CVTは、発注したら何ヶ月ぐらいかかるの?」と尋ねた。 店員(営業のK氏)は、棚から落ちて来た餅に答えた、「お客様、そこにあります。 お立ちになってる後ろに」。 がーーーん、希望のグリーンAlcantaraのCVTのY がふり返るとそこに鎮座してるウ。のだ。 店に入った時は、てっきり新車で 展示車と思う程に、程度良いこれが中古で手に入るとは、、、 10分後には、店の奥で僕は震える手で契約書にサインをしていた。 ということで、Y購入選択枝において欠点だった"高価"、"納期が4ヶ月"の 問題が解決し、ほぼ希望通りのオプションのYが手に入る事になったが、 少々の迷い、不安が残っていた。 というのも、あれだけ悩み迷ったのだから 今の選択決定が正しいのか、簡単には納得行かないもんである。 話しがぶっとぶが、3月20日は亡父の命日があり、家族と寺に御経を もらいに出向いた。 読経の後、御坊さんの説法があった。 テーマは 煩悩の解決法であり、『迷った時は最初によかれと決めた事にしなさい』と いう教えであった。(初志貫徹) これだ、これこそ今有る悩みの解決法である。 やはり、初めに欲しかった Yを選んだのは正解なのだ。 お墓の中の父が、告げてくれたのに違いない。 こうして、涅槃の域で拙者は究極の選択結果に安堵した。






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